研究課題/領域番号 |
06650779
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
八尾 健 京都大学, 工学部, 助教授 (50115953)
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研究分担者 |
稲葉 稔 京都大学, 工学部, 助手 (80243046)
竹原 善一郎 京都大学, 工学部, 教授 (00025892)
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キーワード | ペロブスカイト型 / 結晶構造解析 / リ-トベルト法 / マンガンイオン / ヤーン・テラー効果 / コバルトイオン / 電気伝導度 / 原子価 |
研究概要 |
La:Mn=1:1及びランタンの一部をストロンチウムあるいはマンガンの一部をマグネシウムで置き換えた組成のLa-Sr-Mn-OあるいはLa-Mn-Mg-O系ペロブスカイト型複合酸化物を種々の酸素分圧下で焼成し、化学分析によるマンガンの原子価分析及びリ-トベルト法を用いた結晶構造解析を行い、マンガンの原子価と結晶構造の関係を明らかにした。マンガンの平均原子価が小さい時、立方対称に近い新規の斜方晶ペロブスカイト相が生成した。この結晶相は、2価のマンガンイオンを多く含むと共に、3価のマンガンイオンによるマイクロヤーン・テラー効果が互いに打ち消し合うような構造をとる。対称性を保つため、マンガンイオン間の電子交換が阻害され、電気伝導度が減少する。 La:Co=1:1及びランタンの一部をストロンチウムで置き換えた組成のLa-Sr-Co-O系ペロブスカイト型複合酸化物を焼成し、化学分析によるコバルトの原子価分析及びリ-トベルト法を用いた結晶構造解析を行い、コバルトの原子価と結晶構造の関係を明らかにした。結晶構造解析の結果、格子定数並びにCo-O間距離に不連続な変化が観測され、また電気伝導度にも、半導体から金属への転移が示された。O-2pバンドとCo-3dバンドの間に生ずる電荷移動ギャップが、構造変化にともない、閉じることによると解釈される。 焼成原料作製のために、スターラー付き恒温槽及びインキュベータ-を使用した。また焼成のための試料成形には、ジャッキを使用した。精密な試料作製のため、雰囲気の酸素分圧を制御することができる電気炉を使用した。結晶構造解析には、遷移金属に対して吸収や異常分散の小さいモリブデンの特性X線を使用することが必要であった。リ-トベルト解析のプログラムを作製し、良好な信頼度因子を示す精密な解析を行い、新規且つ興味ある現象を詳細に明らかにすることができた。
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