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1995 年度 実績報告書

混合導電性ペロブスカイト型酸化物中の遷移金属イオンの状態解析

研究課題

研究課題/領域番号 06650779
研究機関京都大学

研究代表者

八尾 健  京都大学, 工学研究科, 教授 (50115953)

研究分担者 稲葉 稔  京都大学, 工学研究科, 助手 (80243046)
竹原 善一郎  京都大学, 工学研究科, 教授 (00025892)
キーワードペロブスカイト型 / 結晶構造解析 / リ-トベルト法 / コバルトイオン / 原子価 / 電気伝導度 / バンド構造 / 金属-絶縁体転移
研究概要

La_<1-x>Sr_xCoO_3は高い電子導電率とイオン導電率とを合わせ持つ混合導電性セラミックスであり、高温固体型燃料電池(SOFC)のカソード材料や、酸素透過膜としての応用が期待される。また近年、金属-絶縁体(M-I)転移を示す系としても注目されている。La_2O_3、SrCO_3、CoCO_3を用いてLa_<1-x>Sr_xCoO_3を焼成した。Mo-Kα線により粉末X線回折を測定し、リ-トベルト結晶構造解析を行った。試料中のCoの平均原子価、および酸素空孔濃度はヨードメトリーによって求めた。試料の直流導電率は急冷サンプルを直方体状に切りだし、4端子法で測定した。測定は大気中、室温から1473Kの温度範囲で行った。xが0.55まではSrのドープ量が増す毎にほぼ酸素ストイキオメトリックに増加するが、xが0.55を超えると直線からはずれて一定値へと近付き、徐々に酸素ノンストイキオメトリックへと移行する様子が観測された。xが0.55の時結晶構造が菱面体晶から立方晶へ転移した。x<0.25においては低温域で半導体的な挙動を示し、温度上昇とともに導電率は増加するが、極大点を経た後に導電率は次第に減少し、金属への転移を示した。結晶解析により、La_<1-x>Sr_xCoO_3のM-I転移のおこるx〜0.25で、Co-O距離の減少とCo-O-Co結合角の増加が認められた。Co-O結合のこのような変化はバンド幅を増加させるので、この変化がホールの準位とO-2pバンドの重なり、つまり金属への転移と対応していると考えることができる。また0.2<x<0.3におけるCo-O間距離の減少のために、a軸が縮み、それによってc軸も縮んだと説明できる。つまり、格子定数や原子間パラメータの特異な挙動は、M-I転移に起因するものであり、結晶構造、バンド構造の変化がLa_<1-x>Sr_xCoO_3の電子導電率を決定する最大要因であると結論づけることができる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Takeshi YAO: "Crystal Structure and Metal-Insulator Transition of La_<1-x>Sr_xCoO_3" Journal of Solid State Chemistry. (印刷中). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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