研究概要 |
本研究はセラミックスの衝撃圧縮下の弾-塑性転移、相転移と微構造を含むキャラクタリゼーションとの相関を明らかにし、セラミックスの動的強度、相転移と状態方程式を詳しく調べると共に、耐衝撃材料としての可能性を探ること、さらに、新しい物質の探査と物質プロセス法を探ることも目的としている。 その結果、立方晶および正方晶ZrO_2では弾-塑性転移や相転移、高圧相の状態方程式の情報が得られ、出発原料の結晶構造、結晶性と降伏特性、相転移の相関が明かとなった。正方晶ジルコニアの微細な階段状構造や大きなスポール強度など異常な衝撃圧縮挙動が見い出された。Si_3N_4ではユゴニオ弾性限界の測定から衝撃圧縮下の強度に対する粒径制御やウィスカ-の添加の効果を明かにし、静的強度との相関が議論された。また、AINの100GPaまでの高い圧力領域のユゴニオ圧縮曲線とVISAR法による結晶粒径の異なるAINの粒子速度履歴の計測を行い、相転移点と高圧相の状態方程式を確定すると共に、相転移点に対する結晶粒径の効果が明かとなった。さらに、平面鏡法によってB_4C多結晶とAl_2O_3単結晶で不均一な自由表面運動が観察され、衝撃圧縮下のクラックによる降伏メカニズムを直接示唆するを重要な結果が得られた。また、LiF,ZnS,ZnSeのユゴリオ曲線の計測によって、LiFでは異方性のおおきな弾性限界が、ZnS,ZnSeではこれまで報告のないものを含む2つの相転移点が見い出すなどの成果が得られた。 一方、固体中衝撃波の計測法では、レーザー速度干渉法(VISAR)の製作を進め、鉄の衝撃波の干渉紋ビ-ト信号の計測に成功した。また、強力な単色光源に用いるためのロングパルスYAG変調レーザを製作した。今後、ユゴニオの測定や光物性計測に応用していく計画である。
|