研究概要 |
1.CNC塑性加工機の製作 素材(管材,板材)に対して,人の手指を模倣した棒状工具が素材の回転半径R方向と回転軸Z方向の移動,RZ面内の回転,棒状工具の回転等を制御できるコンピュータ制御装置を設計製作した。まず試作に際して改良した現有機を用いて予備実験を行い,工具のパス・スケジュールを適切に選択することにより,ほとんど全ての軸対称形状製品の成形が可能になることを確認した。次に得られた知見をもとに機構設計を行い,板材と管材の双方に対応可能で,棒状工具の他にローラー工具等も基本的には取り付け可能な構造の開発機を自作した。また,接触覚情報の取り込み法についても様々な方式について検討した。装置設計とパス・スケジュール設計等にパーソナルコンピュータ式を用い,ACサーボモータセットと(可変速交流)モータ等を用いてCNC塑性加工機を製作した。なお、成果の一部は平成6年10月の第45回塑性加工連合講演会において発表した。 2.メタルフロー制御プロセスに関する検討 改良した現有機および開発機を用いて,アルミ板材の深皿状成形等を行い,メタルフロー挙動に対する工具運動プロセスの影響を調べた。その結果,超塑性的な張出し成形が可能になり,しかも,適切な工具運動プロセスを選択することによりメタルフロー制御が可能になり,その定性的な推論が可能であることを明らかにした。なお,成果の一部は平成6年10月の第45回塑性加工連合講演会において発表した。 3.知能化プロセスに関する検討 上述の2の結果を踏まえて,接触覚情報をもとにメタルフロー挙動を予測する推論規制の枠組みについて検討した。この結果をもとに,次年度は知能化プロセスの有効性を開発機を用いて実験的に検討する予定である。
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