研究概要 |
1.実験方法 今年度は,PM法によるNb基合金を作製するための基礎データを得ることを目的とし,(Nb-rich)Al,Si系について実験を行った。試料の作製は,焼結することで非平衡な微細等軸粒組織が得られるメカニカルアロイング(MA)法を用いて行った. Nb-Al系においては,Nb固溶体とNb_3Alの二相組織となるNb-10,16mol%Alの組成で,また,Nb-Si系においては,常温においてNb固溶体とNb_5Si_3の二相であるNb-10,16,20mol%Alの組成でMA処理した.特に,Nb-Al系においては,Nb_2C分散による高強度化の効果について調べるために,10,16mol%Alの組成で,それぞれにヘプタン1mlを添加したものについても検討した.得られたMA粉末は,真空ホットプレス(VHP)法により焼結体とし,さらに1400℃,90minの熱処理を施したものについて組織および機械的性質を検討した. 2.結果(1)Nb-Al系:焼結材,熱処理材ともに微細等軸粒組織が得られた.10Al材ではNb固溶体にNb_3Alが900℃)の結果,Nb_3Alの体積率が大きい16Al材が10Al材よりも高強度を示したが,延性能は10Al材の方が優れていた.圧縮試験後の試料をTEMにより観察した結果,Nb固溶体がひずみのほとんどを担っていることが明らかとなった.また,Nb_2Cが分散した材料については,10Al材では強度の上昇が確認され,16Al材では若干の延性能の改善が認められた.これらの原因については,今後検討する. (2)Nb-Si系:MA処理とともに,アモルファス化することが確認された.今後,アモルファスおよび固溶体粉末からの焼結体の違いについて検討する.また,プラズマ溶解炉による溶解材とMA材の違いについても比較検討を行う.
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