最小木による2次配列構造の解析ルーツを構築し、格子モデル、排斥モデルの各パターンで測定される統計量に及ぼすサンプル数などの影響を検討した。2次元配列組織としてNi基超合金の一方向成長デンドライト主軸配列を取り上げ、最小木により解析結果と凝固条件の関係を検討した。その結果、成長速度が小さい場合のデンドライト主軸配列は乱れた規則格子を見なせること、成長速度の増加につれ排斥モデルの特徴を示すこと、また、温度勾配の増加につれ配列の乱れが減少することを明らかにした。これらの結果は最小木による2次元配列評価の有効性を示している。 表面結晶粒は試料表面における核生成を反映する軌跡であり、これを解析することにより核生成過程を類推することができる。そこで、急速凝固試料表面に形成される結晶粒配列の構造を最小木による手法で解析することを試みた。まず、予備実験として急冷凝固したA1-4.5%Cu合金試料の解析を行い、周期的構造を示唆する結果を得た。
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