平成6年度に放電焼結の初期段階における直流パルス通電の効果を明らかにした。チタンの比抵抗は、直流パルス通電を繰り返すことによって低下した。また、粉体にパルス処理を施すことにより抵抗焼結段階の焼結性が向上した。これらの結果を基にチタン系合金粉に最適なパルス処理を施し抵抗焼結に備えた。 一方、チタン合金の性能は焼結組織に依存するため、これらの材質制御法を確立することは重要性である。たとえば、微細な組織であるほど強度特性を始めとする機械的特性は良好であると考えられる。このことを確証するため、通常の真空焼結法を用いてチタン、チタン合金を作製しそれらの引張特性を評価した。実際には、パルス処理したチタン、チタン合金(Ti-6Al-4V)およびチタンアルミナイド金属間化合物(TiAl.Ti_3Al)圧粉体の材質制御及び真密度化を行うために抵抗焼結を行った。この際、主として微際組織を得るための材質制御を行った。材質制御のためのプロセス因子としては、抵抗焼結時における温度、圧力および時間が考えられ、これらを制御することで材質の制御が可能となった。放電焼結の利点とは、(1)化学平衡および(2)真密度化が短時間で達成される。(3)結晶粒成長が抑制できることであることを、本実験及び真空焼結法との比較を通して明らかにした。なお、放電焼結法により得られた材料の機械的特性(室温及び高温における引張特性、破壊靱性値、衝撃値等)の評価をも行い、材質と機械的特性の相関をも明かにした。
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