研究概要 |
1.多孔体構造と操作条件の関係について 始めに,実験方法について述べる。出発原料として,硫酸マグネシウム水溶液を使用し,これを凍結セルに取り,一方向凝固させ凍結体を製造した.これを減圧乾燥装置に移し,氷を昇華させ,乾燥体を作った.この乾燥体を電気炉にて仮焼し,酸化マグネシウムとした.次に,これを加熱処理して焼結体とし,その多孔質特性のキャラクタリゼーションを行った. 上記の操作において、出発原料濃度,焼結温度条件を変化させ,多孔質体の細孔の方向性をSEM観察した.また,多孔質体の細孔径分布,平均細孔径および空隙率の測定を行った. その結果,乾燥体に認められた氷の昇華痕が,焼結体にも細孔となって残っていることが観察された.また,その細孔の配向性は一方向に揃っており,円盤状の多孔質体底面から上面へ貫通していることが明らかになった.得られた多孔質体には,乾燥時あるいは仮焼時において生成したと思われる,クラックが認められた.細孔径分布の測定結果から,細孔は0.04,0.1,1.5μmの3個所にピークを持つ3峰性の分布を示し、平均細孔径は0.58μm,比表面積は50m^2/gとなることがわかった。原料濃度の違いによる細孔径分布の変化は顕著ではないが,空隙率は変化することがわかった. 2.乾燥および仮焼操作のための実験装置の試作 現在,装置の設計を終了し,次年度における装置の完成を目指し,物品の購入手配を行っている段階である.この装置を使用して行う実験結果については,次年度に報告する.
|