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1994 年度 実績報告書

イオン選択性イオン交換体を活用した廃水の処理と水質監視システムに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06650961
研究機関山梨大学

研究代表者

山根 兵  山梨大学, 教育学部, 教授 (10020405)

研究分担者 斉藤 真佐恵  山梨大学, 教育学部, 教務職員 (50242623)
キーワードフッ化物イオン / イオン選択性イオン交換体 / ハイドロキシアパタイト / 連続流れシステム / イオン電極によるモニタリング
研究概要

廃水中のF^-を選択的に吸着除去するためのイオン交換体としてハイドロキシアパタイト(HAp)に着目し、実用化を想定したカラム法を用いてF^-に対する吸着特性や他種共存イオンにおける除去効率などの基礎的研究を行った。
(1)微細粒子状のHAp(20〜50μm)をそのままカラムに充填すると密に詰まって溶液が流れなくなるため、カラム法による除去そのものが不可能になる。そのため、ガラスビーズ(内径0.06mm)を適当に混ぜ、カラムの形状を変えるなどにより、わずか数kg/cm^2の圧力でスムーズに送液できるカラム実験法を確立した。
(2)本実験を遂行するためには連続的なF^-のモーターを行う必要がある。廃水にも適用できるようにイオン電極と連続溶液流れを用いた連続モニタリングシステムを開発した。電極表面の汚れの問題を解決するため、気体透過膜チューブによる分離をオンライン直結することにより、共存物の多い試料でも安定してF^-をモニターすることができ、キャリブレーションも容易である。本研究ではカラムによる吸着除去実験はすべて本モニターシステムにより行われた。
(3)F^-は中性のみならず弱酸性(pH4)域でも吸着除去され、貫流交換容量(BTC)はわずかながら、かえって増加することがわかった。
(4)フッ化鉛溶液ではPb^<2+>も吸着され、しかもF^-のBTCはPb^<2+>が共存しない場合の1.1mg/gから6.1mg/g以上へと大幅に増大することを明らかにした。これは、Pb^<2+>の吸着によりHApがゆるんだ構造になり、内部のイオンも交換に与るようになったためと考えられる。synergic効果として一部のイオン交換体に認められていることがHApにも実験で明確にされたことの意義は大きい。
(5)陽イオンとして多量のNa^+や陰イオンとしてCl_-NO_3^-、SO_4^<2->の共存はF^-の吸着特性に余り大きな影響を与えないことも示された。このようなHApのすぐれた特性が明らかになったので、実際のメッキ廃液への応用を想定した実験を継続している。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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