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1994 年度 実績報告書

刺激応答性機能分子の設計

研究課題

研究課題/領域番号 06650983
研究機関大阪大学

研究代表者

中辻 洋司  大阪大学, 工学部, 助教授 (00127268)

研究分担者 木田 敏之  大阪大学, 工学部, 助手 (20234297)
益山 新樹  大阪大学, 工学部, 講師 (30157218)
キーワード合成イオノホア / 液膜輸送 / 分子認識 / アルカリ金属イオン / アルカリ土類金属イオン
研究概要

二つのカルボン酸部位を有する非環状多座配位子を新たに5種類合成し、アルカリ土類金属イオンのpH制御バルク液膜(ジクロロメタン)輸送を行ったところ、二つのキナルジン酸部位をトリメチレン鎖で連結した誘導体が高いバリウムイオン選択性を示した。また、そのカチオン選択性はイオノホアが形成する擬環状構造の空孔サイズによく対応しており、電子供与性原子の数とともにその適切な配置がイオノホアの分子設計上重要であることを見いだした。一方、15-クラウン-5、モノアザ17-クラウン-5、モノアザ18-クラウン-6の三環から構成される新規なC,C橋かけ大双環状モノアザポリエーテル(モノアザクリプタンド)の合成にはじめて成功し、アルカリ金属イオンに対する錯形成能を溶媒抽出法と液膜輸送系で評価したところ、極めて高い錯形成能と選択性を示すことがわかった。特にクリプタンド類は錯形成能が強すぎるために捕捉したカチオンを放しにくく、イオン輸送担体としては不適とされていたが、今回、クリプタンドにpHに応答する窒素原子を一つ導入したところ、プロトンの濃度勾配を利用して高性能キャリヤ-として機能することを見いだした。さらにN-メチルモノアザクリプタンドとNaI及びKIとのX線結晶解析を行ったところ、ナトリウムイオンはその三次元空孔の中央に、またカリウムイオンはその中央ではなく、モノアザ18-クラウン-6環の中心に取り込まれていることがわかった。N-ドデシルモノアザクリプタンドはジクロロメタン液膜を通してのpH制御輸送においてナトリウムイオン選択性を示したことから、その三次元空孔への取り込みの深さと錯形成能に良好な相関関係があることが明かとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 中辻 洋司: "クラウンエーテル類縁体によるカチオン認識" 油化学. 43. 821-829 (1994)

  • [文献書誌] Yohji Nakatsuji: "New Type of C-Pivot Tripode Ligands for Complexation towards Alkal:Metal Cations" Chemistry Letters. 51-52 (1995)

  • [文献書誌] Yohji Nakatsuji: "Synthetic Noncyclic Ionophores with Multiple Carboxylate Groups for Alkaline Earth Metal Cations" Journal of Inclusirn Phenomena. (発行予定).

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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