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1994 年度 実績報告書

オルトキノンメチドの分子内付加環化反応による光学活性クロマンの合成

研究課題

研究課題/領域番号 06651000
研究機関横浜国立大学

研究代表者

井上 誠一  横浜国立大学, 工学部, 教授 (90017939)

キーワードオルトキノンメチド / 分子内付加環化反応 / クロマン / テトラヒドロピラノクロマン
研究概要

光学活性置換クロマン類の一般合成法を確立するための基礎的研究として、種々の不飽和側鎖を有するオルトキノンメチドの生成法とその分子内付加環化反応について検討した。
(1)(Z)-3-メチル-6-オクテナ-ルとo-リチオフェノール誘導体との反応により得られた置換フェノール誘導体を少量の塩酸を含むメタノール中で加熱すると、クロマン骨格を含む三環性化合物が2つの立体異性体のほぼ1:1混合物として生成した。ところが3位にメトキシ基を有するフェノール誘導体を用いて同様の反応を行うと、唯一の立体異性体が高収率で生成した。これらのことから、フェノールの3位およびアルキル側鎖3位の置換基は反応の立体選択性に大きな影響力を有すること、また側鎖の二重結合が2置換である場合は3置換に較べて反応性が低下することが明かになった。
(2)3,7-ジメチル-4-オキサ-6-オクテナ-ルを用いて(1)と同様の反応を行うと、B環とC環に酸素原子を含む三環性化合物が単一の異性体として生成し、環化の反応性と立体選択性は優れたものであった。
(3)6-メチル-5-ヘプテン-1-オールまたは2,6-ジメチル-5-ヘプテン-1-オールとサリチルアルデヒドをオルトギ酸メチルと微量の強酸の存在でベンゼン中で反応させると、室温でも反応が速やかに進行し、B環とC環に酸素原子を含む三環性化合物が単一の異性体として生成した。この場合の環化反応は置換基が全くない場合でも完全に立体選択的であり、(1)の場合とは対照的である。
(4)以上のようにして、目的の環化反応を立体選択的に行うための基礎条件が明かになった。さらにこのようにして得られた三環性化合物のC環を開環する反応については現在検討中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 井上誠一: "テトラペノイド側鎖を持つ3-ヒドロキシクロマンの立体選択的合成" 第38回香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会講演要旨集. 38. 107-109 (1994)

  • [文献書誌] 井上誠一: "不飽和側鎖を有するo.キノンメチドの分子内付加反応による総合三環式化合物の合成" 第28回有機合成化学協会関東支部シンポジウム講演要旨集. 28. 32-33 (1994)

  • [文献書誌] 井上誠一: "3位にヒドロキシル基を有するクロマン化合物の合成" 日本化学会第69春季年会講演予稿集. II. 4H914- (1995)

  • [文献書誌] 井上誠一: "不飽和側鎖を有するo.キノンメチドの分子内付加反応による総合三環式化合物の合成" 日本化学会第69春季年会講演予稿集. II. (1995)

  • [文献書誌] 井上誠一: "不飽和側鎖を有するo.キノンメチドの分子内付加反応による総合三環式化合物の合成" 日本化学会第69春季年会講演予稿集. II. (1995)4H915-

  • [文献書誌] 井上誠一: "サリチルアルデヒドと不飽和アルコールを原料とする含酸素縮合三環式化合物の合成" 日本化学会第69春季年会講演予稿集. II. 4H916- (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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