研究概要 |
シクロアルケンのプロトン性溶媒中でのオゾン分解で得られる溶媒捕獲生成物(1)を、炭素2個、酸素3個からなる1,5-双極子の前駆物質として利用することにより、アルデヒドとの[5+2]および[5+2+2]という、まったく新規の高次環化付加に成功した。この結果、テトロキセパン(2)およびペントキソナン誘導体(3)を、効率良く合成することが出来た。その例をschemeに示す。テトロキセパンについては、各種のアルデヒドが使用可能であるが、ペントキソナンについては、ホルムアルデヒドの場合のみ、反応がうまく進行する。 この反応の特徴は、立体化学がきわめて特異的なことである。1-アルキルインデンの場合、溶媒捕獲生成物として一種類の立体異性体のみが得られ、このことに対応して、生成物も一種類の立体異性体が選択的に生成する。ペントキソナンについては、その構造がX-線解析により決定された。
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