研究概要 |
1.カチオン重合 ビニルベンジル末端ポリ(2-アルキル-2-オキサゾリン)マクロモノマー(VB-PROZO-n;nはオキサゾリンの重合度)の重合を、ルイス酸および過塩素酸等を開始剤として検討したが、ポリマーの生成は確認出来なかった。 2.アニオン重合 VB-PROZO-nおよびメタクリラート末端ポリ(2-アルキル-2-オキサゾリン)マクロモノマー(MA-PROZO-n)(R=n-Bu)の重合を各種条件下で検討したが、ポリマーの生成は確認出来なかった。マクロモノマー中の微量水分等の原因によると思われる。 3.グループ移動重合 MA-PROZO-n(n=3、14;R=Me, n-Bu)のグループ移動重合(GTP)の反応性を検討した。GTPは広義にはアニオン重合である。 R=Buの場合、開始剤としてシリルケテンアセタール(SKA),触媒としてテトラブチルアンモニウムフルオリドを用い、テトラヒドロフラン中、50℃,24℃,-27℃で重合を検討したところ、24℃以上でポリマーが生成し、分子量は最高26000であった。重合速度は、nの大きい場合の方が遅くなり、これはラジカル重合とは逆の傾向である。温度は50℃の方が速度は速い。 R=Meの場合、開始剤としてSKA,触媒としてフッ化水素カリウムを用い、重アセトニトリルを溶媒として24℃で検討したが、重合速度はR=Buの場合より速く、これはマクロモノマーと生長末端との相互侵入に対する立体障害が低いためと思われる。
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