研究課題/領域番号 |
06651044
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
西尾 嘉之 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (00156043)
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研究分担者 |
岩田 実 長岡工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (80042753)
鈴木 秀松 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (00027054)
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キーワード | セルロース / キチン / 高分子複合体 / ブレンド / IPN / 相溶性 / 特性解析 |
研究概要 |
セルロース並びにキチンの新しい溶解法を駆使して、下記1、2に大別した高分子複合体を調製し、その特性解析を行った。得られた主な知見は以下のようである。 1.多糖/合成高分子ブレンドフィルム 種々の脱アセチル化度(DD)を有するキチンとポリビニルアルコール(PVA)とのブレンドフィルムを、酢酸水溶液からのキャスト法、あるいは、ジメチルアセトアミド-塩化リチウム(DMAc-LiCl)溶液からの凝固再生法によって作製しえた。ブレンド試料の転移挙動と相構造を考察し、両成分の相溶性に及ぼすキチンの部分脱アセチル化の効果を調べた。DD≒50%のキチンを用いた場合に、特に良好な相溶状態にあるキチン/PVAブレンド膜を調製しうることがわかった。 2.相互侵入網目構造(IPN)を有するセルロース・キチン系ミクロコンポジット (1)セルロースのDMAc-LiCl溶液を非溶剤中に凝固させて得られるゲル中に、N-ビニルピロリドン(VP)とグリシジルメタクリレート(GMA)のモノマー混合液を含浸させ、紫外線照射下で重合反応を行うことにより、Semi-IPNタイプのセルロース/P(VP-co-GMA)コンポジットを作製し得た。この試料を3%NaOHあるいは50%ギ酸の水溶液中で加温処理すると、コポリマー成分中に共有結合架橋やイオン橋架けが生成し、より強固なネットワーク構造を有するFull-IPNとなることが判った。また、GMAエポキシド-セルロース水酸基間の反応を利用して、Joined-IPNタイプのコンポジットも作製し得た。 (2)上記と類似の溶液凝固/塊状重合法により、キチン/ポリグリシジルメタクリレート系複合体を調製した。転移挙動及び固体NMRの測定から、両成分が分子レベルで近接したIPN型のコンポジットであることを証明した。また、水及び有機溶剤に対する収着挙動の組成依存性を評価した。
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