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1994 年度 実績報告書

表面・界面における高分子単分子膜の動的特性の解析

研究課題

研究課題/領域番号 06651050
研究機関京都大学

研究代表者

伊藤 紳三郎  京都大学, 工学部, 助手 (50127049)

研究分担者 大岡 正孝  京都大学, 工学部, 教務技官 (10160425)
キーワード高分子単分子膜 / LB膜 / 蛍光法 / ダイナミックス / 偏光解消 / エネルギー移動 / 構造緩和 / 表面・界面
研究概要

本研究では表面・界面にLB法をもちいて作製された高分子超薄膜の動的な特性を蛍光分光法により明らかにすることを目指した。 その主な研究対象は次の2項目であった。
1.気水界面における高分子単分子膜の動的特性。
単分子膜形成能をもつ高分子材料に蛍光ラベルしたうえで、気水界面における高分子単分子膜内での二次元並進拡散・面内回転拡散速度をもとめた。 前者には分子間の衝突頻度を測定できるエネルギー移動法を、後者には時間分解蛍光偏光解消法を適用した。 累積性の優れたポリビニルアセタール膜では、高粘性液体に相当する並進拡散係数が測定された。 また偏光解消法においても速い回転拡散成分が観測された。 蛍光法により明かにされた分子レベルでの運動性は気水界面における単分子膜が高粘性液体としての特性を持つことを示した。 これに対し、マクロ的に求められた膜の表面粘性は高分子側鎖長により大きく変化した。 長い側鎖は水面での分子間凝集力を著しく増大させるものの、自由体積が比較的おおきな高分子鎖の二次元構造により流動的な膜粘性が保たれていることが明かとなった。
2.固体基板に累積された高分子LB膜の構造緩和特性。
固体基板に積層された高分子LB膜では熱により高分子主鎖および側鎖のミクロ分子運動が起こり、膜全体としての層構造緩和を起こした。 蛍光プローブをもちいたエネルギー移動現象を観測することにより、分子レベルでおこる構造緩和の特性を調べた。 その結果、高分子自体のもつTg、分子量、相溶性が緩和現象を決定する要因であり、なかでも高分子鎖が2次元面内でもつ非平衡コンフォメーションからのエントロピー緩和がその実体であることを明かにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Shinzaburo Ito: "Fluorescence Spectroscopy for a Polymer Monolayer at the Air-Water Interface" Thin Solid Films. 244. 1073-1077 (1994)

  • [文献書誌] Shinzaburo Ito: "Layered Structure of Polymer LB Films Observed BY Transmission Electron Microscopy" Macromolecules. (in press).

  • [文献書誌] 伊藤紳三郎: "表面" 広信社, 826 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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