研究課題/領域番号 |
06651054
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
渡辺 宏 京都大学, 化学研究所, 助教授 (90167164)
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研究分担者 |
小高 忠男 大阪大学, 理学部, 教授 (20027022)
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キーワード | A型双極子反転鎖 / 誘電緩和 / 局所相関関数 / 固有関数 / バネ-ビ-ド模型 / レプテーション模型 / カップリング / 余剰緩和 |
研究概要 |
1)分子量はほぼ同一であるがA型双極子が異なったセグメントで反転した、一連のポリイソプレン(PI)鎖を低分子量ブタジエン・オリゴマー中に溶解し、その誘電緩和挙動を調べた。双極子反転位置の差により、これらのPI鎖は異なる誘電損失曲線を示したが、それを解析することで、鎖の配向相関を表す局所相関関数の固有関数、緩和時間を実験的に決定した。その結果、PI濃度が増加しても、各固有モードの緩和時間の間隔は殆ど変化しないが、固有関数の関数形は高濃度ほど非正弦的になること、また、この固有関数の変化のために誘電損失曲線がブロードになることなどが明らかとなった。この結果は従来のバネ-ビ-ド模型や、レプテーション模型では説明されず、模型では考慮されていない鎖端の余剰緩和が濃度の上昇と共に顕著になることを示唆する。 2)双極子反転の無いポリイソプレン(PI)鎖を種々の分子量のブタジエン・マトリクス中にブレンドし、その誘電緩和挙動を調べた。その結果、マトリクス分子量の増加につれて、PI鎖の誘電損失曲線がブロードになることが明らかとなった。この変化は、絡み合いや流体力学的相互作用の変化とは無関係で、鎖の運動のカップリングに由来することが明らかとなった。さらに、PI鎖とマトリクスの緩和時間の比較から、このカップリングが単純な粘弾性カップリングではないことも明らかとなった。
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