船舶の安全を考慮した沿岸域の環境計画を実施するための手法をまとめるにあたり、本年度は海上に構築された構造物の近傍を航行する船舶の安全性を検討するためにシミュレーション計算を行なった.対象として本州四国連絡橋の南備讃瀬戸大橋の橋脚、本州四国連絡橋の明石海峡大橋の橋脚、東京湾横断道路の川崎人工島の3つの構造物を取り上げその近傍を航行する船舶の安全性について検討した. その結果、明石海峡大橋の橋脚の近傍を航行する船舶に対しては特に潮流に対する影響がみられることなどが示された. またその他、日本各地の港湾施設について検討する目的で、その一例として港湾入口の水路について検討した。そのために標準的な各種船舶の諸寸法を一般化しておく必要があるが最近の船舶に対し船種毎に平均的な数値をまとめた。この結果を用いて港湾入口の水路についてしらべた結果、最近の船舶の大型化に伴ってやや余裕量が減少していることが示された。
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