研究課題/領域番号 |
06651089
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
板倉 賢一 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (20168298)
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研究分担者 |
佐藤 一彦 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (30002009)
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キーワード | ニューラル・ネットワーク / 適応共鳴理論 / ART2 / ボーリング / 検層 / ロックボルト / MWD / 機械量データ |
研究概要 |
前年度の課題である不連続面近傍での切削メカニズム、およびニューラル・ネットワーク(NN)への入力データについて初めに検討した。その結果、き裂近傍では推力の影響でせん断破壊が先行し、破砕物をさらにビットで粉砕することがわかった。この現象は、比較的大きな変動として機械量データに反映される。また、NNへの入力データに関しては、トルクと推力の比だけでなく、トルクと一回転当たりの削孔速度の比(地質係数と呼ぶ)が地層構造の変化を良く反映する事がわかった。 次に、検層データ解析システムの構築、現場計測試験システムの構築、現場適用試験を行ない、開発したシステムの適用限界について検討した。解析システムについては、NNのアルゴリズムである適応共鳴理論(ART2)に加え、逆伝播法(BPN)を新たに導入した。ART2とBPNを階層的に用いることにより、岩壁内の不連続面位置を高速に抽出できた。さらに、抽出位置前後のトルクレベルにより、地層境界とき裂を区別した。こうして得られた複数孔の不連続面分布から、2次元あるいは3次元の地層構造を推定、表示するシステムを構築した。この一連のデータ処理には、昨年度の補助金で購入したEWSを用い、結果の表示等には本年度購入したパーソナルコンピュータを利用した。 また現場計測用に、削孔機に各種機械量センサを取付け、削孔中のデータをメモリーカードに記録するシステムを構築した。このシステムを用いて現場適用試験を、炭鉱の坑道で実施した。得られたデータを前述の解析システムで処理し、2次元地層構造ならびにき裂分布を推定した。この結果、本研究で構築した現場試験システムならびにデータ解析システムにより、十分削孔中の機械量データを収録し、削孔箇所あるいは対象とする領域の地層構造を推定、表示できる見通しを得た。
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