研究概要 |
Steptoe×Morex および Harrington×TR306のF_1に H.bulbosumを交配してH.vulgareの半数体を作出し、それをコルヒチン処理して育成した。倍加半数体、各50系統を岡山大学資源生物科学研究所の圃場で栽培して稈長、出穂期などの農業形質を調査し、種子を増殖した。 これらの材料について網斑病抵抗性、うどんこ病抵抗性、アブラムシ耐性、アブラムシ耐性と関連すると言われるグラミン含有量などを調査してRFLPなどの分子マーカーとの連鎖を解析した。網斑病抵抗性、うどんこ病抵抗性およびグラミン含量は幼苗を用いて検定し、アブラムシ耐性は圃場においてアブラムシの寄生数を調査して評価した。分子マーカーに関するデータは北米の研究グループによって発表されているものを利用した。 その結果、網斑病抵抗性の1遺伝子、うどんこ病抵抗性の1遺伝子およびグラミン合成に関与する1遺伝子をファインマッピングすることができた。一方、アブラムシ耐性は系統によって連続的な大きな変異を示したが,QTL解析の結果、特定の染色体部位と関連する徴候は認められず、遺伝的な耐性があるかどうかは疑わしいとみられた。 稈長等の農業形質のQTL解析は目下進行中である。
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