首都圏で整備されている親自然緑地を対象に、現状ではどの様な親自然活動が展開され求められているかについて、活動のタイプ区分を通して明らかにすることを目的として、首都圏を対象に、現時点で展開されている「親自然緑地」の現状の概要と今後のあり方について検討を行った。 前年度検討した「自然とのふれ合い活動」の5タイプの活動毎に、立地特性を検討した。その結果、『自然の限定性・多様性』の軸と『利便性・不便さ』の軸の2軸で、各活動タイプが要求する立地特性が特徴づけられることが分かった。「観賞型:親和活動中心」および「遊び型:遊び中心」は、利便性を要求し、観賞型は合わせて、自然限定性を要求する。また「体験型:管理体験中心」および「徒歩型:健康中心」は、自然の限定性を要求し、中でも体験型は自然が多様でも不便な空間では行われていないようである。「観察型:学習中心」は自然の限定性にも、また利便性にも、あまり関係なくフィールドを選択している。 これらの検討をベースに、首都圏において地域の類型を試みた。ベースとしたデータは、植生の条件:森林率、アクセス生:道路密度、を中心に、地形条件や実際の活動が行われている状況などである。そして「自然観察地保全エリア」、「自然観察地拠点形成エリア」「自然遊び促進エリア」「特定自然ふれあいエリア」「自然環境回復促進エリア」「山間ハイキングエリア」「都市・近郊散策エリア」の7区分を設定し、親自然型緑地系統の検討を行った。
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