ケーススタディ地の詳細な地形データを作成し、計算機による詳細な解析評価を行い、結果を既存の景観・生態情報処理可視化システムによって視覚化しながら検討を加えた。現地踏査による景観資源把握と評価を併せて実施し、両者の対応を比較し、景観ポテンシャル評価手法の処理プロセスと特定を明らかにした。この結果を踏まえ、関東での標高数値データ、視点群を用いて複数の処理プロセスによる景観ポテンシャル評価を計算することは、困難であることが分かった。むしろ異なる地形タイプでの可視領域解析と再現性を明らかにすることが重要であることが分かった。 特に重要なのは、景観ポテンシャル評価の重要な解析手法である可視・不可視領域シミュレーションについては、シミュレーションにより求められた可視・不可視領域と実際のそれとを比べた場合の再現性について十分な分析がなされていないため、得られた結果に対する信頼性等の評価が正しく行えない状況にあことが分かった。このため本研究ではメッシュスケールが大きくなることによる可視・不可視領域の再現率の低下について、対象視点の眺望特性、及び対象地域の地形の複雑さの2つの変動要因を考慮しつつ分析を行い、必要な精度を確保する上で必要となる適切なメッシュスケールの選定基準を明らかにした。
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