研究課題/領域番号 |
06660041
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研究機関 | 恵泉女学園短期大学 |
研究代表者 |
杉山 信太郎 恵泉女学園短期大学, 園芸生活学科, 教授 (20162901)
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研究分担者 |
藤田 智 恵泉女学園短期大学, 園芸生活学科, 講師 (60209054)
遠藤 元庸 岩手大学, 農学部, 教授 (50021697)
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キーワード | ホウレンソウ / フダンソウ / 種属間交雑 / 交雑和合性 / 耐暑性育種 / プロトプラスト培養 / プロトプラスト融合 |
研究概要 |
(1)各地より収集したホウレンソウ数品種およびフダンソウを供試し、自然条件ならびに環境制御条件下における耐暑性比較試験を行った。その結果、25℃以上の高温条件下でフダンソウの生育はホウレンソウ品種を大きく上回り、晩抽性、耐病性と併せ、耐暑性育種素材としてのフダンソウの有用性を確認した。同時に、ホウレンソウ種内の遺伝子源としては台湾在来種に価値を見い出した。現在、台湾在来種に夏作用品種等を交配して得られたF_5個体の耐暑性検定試験をファイトトロンで行っており、その成果が期待される。 (2)一方、ホウレンソウ数品種とフダンソウの人工交配を試みたところ、21粒の種子が得られたが、育成した個体はいずれもホウレンソウ型で雑種植物は獲得できなかった。現在、受粉、受精および雑種胚の発育過程の組織学的観察により、両者の交雑和合性について検討している。 (3)プロトプラスト融合の基礎実験として、ホウレンソウとフダンソウの子葉および本葉を用い、葉肉プロトプラストの単離精製法について検討した。さらに、本法で作出された活性の高いプロトプラストを用い、培養条件の検討を行った。その結果、MS無機塩類+B_5ビタミンに、NAA、2、4-DおよびBAを各々1mg/l添加した培地を用いた場合、供試したホウレンソウ4品種は分裂し、コロニーを形成したが、フダンソウでは全く分裂が見られなかった。それ故、この培地を用い、あらかじめIOA処理したホウレンソウプロトプラストとフダンソウプロトプラストの融合を行えば、両者の雑種細胞の選抜が可能となることが示唆された。現在、これらの知見を基礎に、カルスからの植物体再生条件の検討およびプロトプラスト融合法の開発について実験を進めている。併せて、フダンソウプロトプラストの初期培養条件の検討を行っている。
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