クローバ葉脈黄化ウイルス(CYVV)および血清学的に近縁なインゲンマメ黄斑モザイクウイルス(BYMV)について、CYVVのエピトープ解析に基づいて得られたCYVV-NFU外被タンパク質N末端領域の5つのエピトープのうち、CYVVに特異と考えられたエピトープIIIと、CYVVとBYMVに共通と考えられたエピトープIのペプチド抗体を作製した。これらのうち、エピトープIIIに対応する10個のアミノ酸残基からなる合成ペプチドは、ウサギに免疫したが十分な力価の上昇が認められなかった。一方、エピトープIに対応する11個のアミノ酸残基からなる合成ペプチドに対して作製した抗血清は、当該ペプチドに対してELISA法で、7、000倍の力価を示した。この抗血清を用いて、BYMVおよびCYVVに感染したソラマメあるいはインゲンマメからの両ウイルスの検出を試みたところ、ウエスタンブロット法、ELISA法および免疫電子顕微鏡法で検出が可能で、健全植物との反応は認められなかった。また、本抗血清と他のPotyvirusの反応についても検討した。さらに、CYVVおよびBYMVを野外のエンドウやマメ科雑草などから採集し、今後の研究用保存株とした。 本研究の一部は、平成7年度日本植物病理学会大会で発表予定である。
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