イネ萎縮病ウイルス(RDV)-RNAに対する抗体をコードする遺伝子の作成を試みた。RDV-RNAに対するモノクローン抗体産生ハイブリドーマからmRNAを調製し、それを鋳型にして、PCR法でVHおよびVLの遺伝子断片を増巾分離した。このVHおよびVLをファルマシアの単鎖抗体(ScFv)遺伝子作成キットを用い、リンカーDNAを介して結合させた。これを大腸菌発現ベクターpCANTAB5Eに組み込み、大腸菌HB2151に形質転換した。しかしながら得られたリコンビナントファージは二本鎖RNAに対する反応性を示さなかった。RDV-RNAで免疫したマウス脾細胞の全mRNAを用いて同様の実験を行ったが活性のある人工単鎖抗体は得られなかった。恐らくリンカーDNAの構造が核酸と反応する抗体を作るのに不適当であると思われる。そこでVHおよびVLの塩基配列を解析し、適切なリンカーDNAを考案して、再度人工単鎖抗体を得る実験を行っている。
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