平成6年度に抗二本鎖RNA抗体遺伝子の可変領域VHとVLをPCRによって増幅し、クローニングした。これらの遺伝子は市販キットのプライマーを用いて作成したが、VHとVLを連結した単鎖抗体遺伝子(ScFv)は抗原の二本鎖RNAとの結合活性がなかった。平成7年度は再度抗二本鎖RNA抗体産生ハイブリドーマのmRNAから、プライマーを変えてVHとVLをPCR増幅し、クローンを分離した後、塩基配列を解析した。その結果、VHおよびVLの3′末端部分にコードされるアミノ酸配列に異常が認められた。この配列の異常は一塩基の欠落によるもので、活性のあるScFvができない理由と考えられた。再度、新しくクローニングしたVHとVLを用い、リンカーアミノ酸を介してScFvを作成し、大腸菌に発現させたが、活性のある抗体は産生されなかった。この原因として、リンカーアミノ酸配列が悪いのか、ScFv抗体が核酸の高次構造を認識できないのか、今のところ不明である。
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