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1995 年度 研究成果報告書概要

土壌・植物系における酸性アルミニウム種の特性とその支配要因

研究課題

研究課題/領域番号 06660074
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 植物栄養学・土壌学
研究機関宇都宮大学

研究代表者

加藤 秀正  宇都宮大学, 農学部, 教授 (20008014)

研究分担者 平井 英明  宇都宮大学, 農学部, 助教授 (20208804)
研究期間 (年度) 1994 – 1995
キーワード化学平衡 / 単核アルミニウム種 / 多核体アルミニウム種 / 土壌溶液 / 繰り返し計算法
研究概要

酸性土壌における植物毒性アルミニウム(Al)の形態と濃度を明らかにするために、畑および森林土壌を供試し、土壌溶液のAl種とその濃度をA_<DAMS>(1971)の繰り返し計算法の概念を応用して求めた。本研究ではAl塩溶液を対象にした研究で有力視されている4種の多核体種を同時に含む次式のような質量均衡式を作成して計算した。
Al_t=〔Al^<3+>〕+〔AlOH^<2+>〕+〔Al(OH)^+_2〕+〔Al(OH)^0_3〕+〔AlSO^+_4〕+〔AlHPO^+_4〕+〔AlH_2PO^<2+>_4〕+2〔Al_2(OH)^<4+>_4〕+3〔Al_3(OH)^<5+>_4〕
+13〔Al_<13>O_4(OH)^<7+>_<24>〕+6〔Al_6(OH)^<3+>_<15>〕
得られた結果は以下のとおりである。(1)試料中、もっとも酸性側(pH3.0〜4.7)で、pAltが2.3〜4.5付近の土壌溶液では、Al^<3+>が全アルミニウム(Alt)の主要成分種となった。(2)土壌溶液のpHが4.7〜7付近、pAltが2.3〜5付近では多核体種Al_6(ON)^<3+>_<15>がAltの主成分種となった。(3)土壌溶液のpHが5.3〜7.3,pAltが4.5〜7.5付近ではAl(OH)^0_3がAltの主成分種となった。(4)本研究で供試した土壌溶液が示したpH(3.0〜7.3)とpAlt(2.3〜7.31)の範囲では、多核体種Al_2(OH)^<4+>_2およびAl_3(OH)^<5+>_4が主成分種となることはなく、いずれもAltの100分の1以下の濃度であった。しかしながらAltが10^<-2>molL^<-1>以上で、かつpHが5〜6付近を示す合成系では主成分種となると推定された。(5)多核体種Al_<13>O_4(OH)^<7+>_<24>の濃度は土壌溶液のAltの1億分の1程度のオーダーであることから、この存在を無視できる。(6)土壌溶液のpHが5〜6.5,pAltが4〜7でかつpAlt=pH付近ではAl(OH)^+_2がAltの数十%を占めた。またリン酸多施用畑では、AlHPO^+_3が主成分種となる場合も認められた。
これらの結果によれば、土壌溶液がとり得るpHとpAltの範囲では、Al^<3 +>,Al(OH)^+_2,Al(OH)^0_3,Al_6(OH)^<3+>_<15>およびAlHPO^+_4が主要なAl種となると推定された。

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公開日: 1999-03-09  

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