従来、我々は、有機物吸収機構を明らかにするために、イネやオオムギを用いた実験では、水耕による植物の栽培を行ってきた。しかし、水耕では、無菌栽培が難しく、根圏微生物による有機物の分解が避けられなかった。そこで、材料植物として、シャーレ内の無菌栽培が可能なイロイヌナズナを用いることにより、無菌条件下での各種アミノ酸窒素源による栽培を検討し利用可能なシステムであることを明らかにした。既に単離されているイロイヌナズナのアミノ酸トランスポーターは、そのタンパク質が確かに細胞膜上に存在しているか否かが未解明である。そこでこの遺伝子のタンパク質を得て抗体を作成し、免疫細胞化学に手法により染色し、その存在部位の確定を試みた。cDNAが大腸菌では発現しなかったので、推定されるアミノ酸配列から特異的な部分を選び合成ペプチドを作製し、抗体を調整した。力価について現在検討中である。
|