<地理情報システムの導入> 大容量かつ高速のパーソナルコンピュータに地理情報システム(IDLISI)を導入し、その各種面情報取り扱いのための機能を検証した結果、本研究の主題である多目的土地評価のための包括的環境情報処理に適していることが明らかとなった。点情報管理のためのデータベースについては現在導入作業中である。 <土地評価システムの導入> FAOにより作成され世界各国で利用されているAgricultural Planning Toolkit(APT)を導入し、現在その機能を検証中である。 <発展途上国での事例研究> 本年度は、西アフリカ・サブサハラ地域(ナイジェリア)において内陸小渓谷および台地を含む約30ヘクタールの農地および潜在農地について土壌、土地利用、植生および農法に関して現地調査を行い、土地評価のための基礎情報を収集した。また、採取した土壌試料について土壌肥沃度にかかわる物理性および化学性分析を実施した。 一方、中央アジア・乾燥地域(カザフスタン)において大規模潅漑農業経営を行う集団農場を数ヶ所含む当該地域南部について、リモートセンシング情報を取得し、土地利用形態および植生に関して類型区分を行った。また、農場の代表地点において土壌試料を採取し、土壌塩性化に関わる土壌特性値について分析を行った。現在、これらの情報を当該地域の砂漠化危険性分級図として取りまとめるための手法を開発中である。
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