研究概要 |
研究の目的 本研究は、ペプチド鎖伸長因子EF-1のリン酸化、脱リン酸化による活性制御機構を解明し、シグナル伝達、細胞増殖、細胞老化におけるEF-1の役割を明らかにするとともに、それらの成果を、無細胞系でのタンパク質の生産に応用する。 研究実施計画 (1)コムギ胚芽のカゼインキナーゼIIが、コムギおよびコメ胚芽EF-1のβサブユニットをリン酸化することが明らかになったので、コメ胚芽からカゼインキナーゼを精製する。 (2)細胞の増殖や老化とEF-1の活性との関連性を追求する。 (3)ペプチド鎖伸長反応に関する研究成果を総合し、効率の良い無細胞タンパク質生産系を確立する。 研究成果 (1)コメ胚芽から、DEAE-cellulose,phospho-cellulose,および高速ゲルろ過カラム等により、EF-1のβサブユニットをリン酸化するキナーゼを精製した。 (2)植物の各組織および培養細胞系でのノーザン解析によりEF-1β、およびβ′-mRNAの変動をしらべたところ、両者とも細胞分裂の盛んな培養細胞の系で顕著に発現することがあきらかになった。培養系でのEF-1のリン酸化は解析中である。 (3)無細胞系で真核生物のタンパク質(イネアルドラーゼ)を効率よく合成することに成功した。
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