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1994 年度 実績報告書

FISHによるMHC遺伝子領域の複製パターンの描出

研究課題

研究課題/領域番号 06660099
研究機関三重大学

研究代表者

奥村 克純  三重大学, 生物資源学部, 助教授 (30177183)

キーワードFISH / MHC / DNA replication / Chromosome structure / GC content
研究概要

本年度は、特にヒト主要組織適合抗原複合体(MHC)遺伝子領域のHLA-ClassII,ClassIII,ClassI(セントロメア側からの順)の2Mb以上にわたる領域から100から200Kbごとにコスミドクローンをピックアップし、二重染色FISHにより二クローンずつについて複製のタイミングを比較検討した。この領域は、既にDNAの塩基組成が詳細に調べられており、GC含量の大きく変化する領域がClassIIとClassIIIの間に存在することや、細胞種における遺伝子発現の有無などが、よく検討されている。この領域の前骨髄球細胞(HL60)における各クローンの相対的なDNA複製のタイミングをプロットしたところ、その変化曲線がGC%の変化曲線と極めてよく一致することを見出した。これは、従来染色体バンドレベルで明らかにされていた知見(RバンドはGC-richでS期の前半に複製し、一方、GバンドはAT-richでS期の後半に複製する)を、初めて塩基レベルで詳細に検討し、示したことになる。同様の検討をBリンパ芽球について行ったところ、検討した領域内で複製の最も遅い領域が、GC%の最も低い領域であることと、最も早い領域が、ClassIII領域内のTNF遺伝子領域であることや、複製タイミングの変化曲線についてもHL60と大体において一致したが、ClassII領域の複製タイミングが相対的にHL60細胞より早くなっていた。各領域から遺伝子をピックアップし、これらをプローブとしてそれぞれの細胞についてノーザン解析を行ったところ、リンパ芽球細胞ではClassII遺伝子が発現しており、上述の細胞による複製のタイミングの違いは、転写と関連している可能性が示唆された。これらの結果により、レプリコンのある程度の予測が可能であるので、次年度は、複製方向や、レプリコンの描出などを検討する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Masayuki Seki: "Molecular Cloning of cDNA Encoding Human DNA Helicase Q1 Which Has Homology to Escherichia coli Rec Q He licase and Localization of the Gene at Chromosome 12p12" Nucleic Acid Research. 22. 4566-4573 (1994)

  • [文献書誌] Hiroshi Akioka: "Isolation and Characterization of the HC8 Subunit Gene of the Human Proteasome" Biochem.Blophys.Res.Commn.207. 318-323 (1995)

  • [文献書誌] Katsuzumi Okumura: "Assignment of the 36.5kDa(RFC5),37kDa(RFC4),38kDa(RFC3),and 40 kDa(RFC2)Subunit Genes of Human Replication Facter C to Chromosome Bands 12q24.2-q24.3,3q27,13q12.3-q13,and 7q11.23" Genomics. (印刷中). (1995)

  • [文献書誌] Tatsuo Fukagawa: "A boundary of long-range G+C% mosaic domains in the human MHC locus:Pseudoautosomal boundary-like sequence exists near the boundary" Genomics. (印刷中). (1995)

  • [文献書誌] Katsuzumi Okumura: "The Genes for the α-Type HC3 and β-Type HC5 Subunits of Human Proteasomes Map to Chromosomes 6q27 and 7p12-p13by Fluorescence in Situ Hybridization" Genomics. (印刷中). (1995)

  • [文献書誌] 奥村克純: "FISHによるDNA複製タイミングの解析とゲル・インプリンティング" 組織培養. (印刷中). (1995)

  • [文献書誌] 松原謙一: "FISH実験プロトコール-ヒト・ゲノム解析から染色体・遺伝子診断まで-" 秀潤社, 219 (1994)

  • [文献書誌] Takesi Kobayashi: "Animal Cell Technology:Basic & Applied Aspects,Vol.6" Kluwer Academic Publishevs,Netherland, 615 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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