研究概要 |
1.ラットアンジオテンシンIIリセプター(AT_<1A>)のリガンド結合領域の解明 リセプター立体構造からドッキングモデルを構築し、かつアンジオテンシンIIリセプターで保存されたアミノ酸配列を選び部位特異的突然変異によりアラニン置換を行った。この結果、第4トランスメンブレン領域のR167、第5トランスメンブレン領域のK199、第6トランスメンブレン領域のW253、F259、D263の各残基がアンジオテンシンIIの結合に関わることが明らかになった。これらの残基のうちR167はモデル上アンジオテンシンIIの4番目のチロシンと相互作用していると考えられるが、アラニン置換により非ペプチド性アンタゴニストの結合も大きく減少することからリセプターの立体構造形式との関わりも考えられる。 2.ラットアンジオテンシンIIリセプター(AT_<1A>)のGタンパク質結合領域の解明 AT_<1A>のC末欠失変異体を作成し、アンジオテンシンIIの特異的結合能を調べたところ野性型と同様であった。このうちK318に終止コドンを導入した変異体のGTP効果、IP_3の産生は野性型と同様であったが、K310に終止コドンを導入した変異体ではいずれの効果も認められなかった。このことよりラットアンジオテンシンIIリセプター細胞内C末テ-ル領域のK310からL317の間の残基がG-タンパク質と結合していると考えられる。 3.ニワトリ副腎におけるアンジオテンシンIIリセプターの発現 鳥類にはAT1, AT2のいずれにも属さないリセプターの存在が報告されている。ニワトリゲノムDNAを鋳型としてPCRを行い、プローブを調製した。ノーザンハイブリダイゼーションの結果、リセプターは副腎で強く発現するが、肝臓ではほとんど発現しないことが明らかになった。
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