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1995 年度 実績報告書

植物のアスコルビン酸酸化酵素遺伝子のオーキシンによる発現調節と細胞成長

研究課題

研究課題/領域番号 06660111
研究機関広島大学

研究代表者

江坂 宗春  広島大学, 生物生産学部, 助教授 (70151975)

キーワードアスコルビン酸酸化酵素 / オーキシン / 細胞成長 / シス因子 / トランス因子
研究概要

アスコルビン酸酸化酵素は高等植物に特有な酵素で、アスコルビン酸を酸化してデヒドロアスコルビン酸を生成する反応を触媒するが、その生理的機能については未だ不明である。しかしながら、アスコルビン酸酸化酵素は銅を有する酵素として、その構造と機能について注目されている。アスコルビン酸酸化酵素の研究は、これまで、カボチャやキュウリなどのウリ科植物を用いて行われていた。そこで、タバコのアスコルビン酸酸化酵素の遺伝子発現の研究をする目的で、カボチャのアスコルビン酸酸化酵素cDNAをプローブとして、タバコのアスコルビン酸酸化酵素cDNAをクローニングした。cDNAから推定したアミノ酸配列はカボチャやキュウリのアスコルビン酸酸化酵素のアミノ酸配列と大きく異なっていた。おそらく、このことがタバコのアスコルビン酸酸化酵素の比活性がカボチャやキュウリの比活性に比べ著しく小さいことと関係するものと思われる。一方、アスコルビン酸酸化酵素はオーキシンにより著しく誘導されること、また、カボチャの果実の成長時や、種子の発芽時、カルス化時に著しい発現を示すことから、本酵素は細胞成長に関与する酵素であることが示唆された。また、カボチャのアスコルビン酸酸化酵素のゲノム遺伝子をクローニングし、そのプロモーター領域を解析したところ、オーキシン応答性に関与するシス領域の存在が示唆された。オーキシン応答性に関与すると思われるシス領域をプローブとしたサウスウエスタン法により、その領域に、特異的に結合する蛋白質cDNAをクローニングすることができた。本cDNAは333アミノ酸からなる蛋白質をコードしており、プロリンとセリンが豊富であった。推定アミノ酸配列中に転写因子に特徴的なヘリックスターンヘリックス様モチーフが認められた。また、本蛋白質がステロイドホルモンレセプターやGATA1に似た亜鉛、DNA結合ドメインを持つ新規のジンクフィンガー様転写因子である可能性が示された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Muneharu Esaka: "Secretion of basic and acidic chitinases from salt-adapted and-unadapted winged bean cells." Physiol.Plant.92. 90-96 (1994)

  • [文献書誌] Muneharu Esaka: "Specific secretion of proline-rich proteins by salt-adapted winged bean cells." Plant Cell Physiol.36. 441-446 (1995)

  • [文献書誌] Yasutomo Kisu: "Putative zinc-binding domain of plant transcription factor, AOBP, is related to DAN-binding domains of steroid hormone receptors and GATA1." Proc. Japan Acad.71. 288-292 (1995)

  • [文献書誌] Naohiro Kato: "cDNA cloning and gene expresion of ascorbate oxidase in tobacco." Plant Mol. Biol.(発表予定 in press). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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