研究概要 |
光発芽性のレタス(Lactuca sativa L.cv.Grand Rapids)種子から,ジベレリン(GA)処理によりmRNAの発現量が増加する2種のcDNAクローン(cLRG5,cLRG11)をディファレンシャルスクリーニングにより単離した.LRG5,LRG11 mRNAの発現量は,対照区においては徐々に減少したが,GAや赤色光で処理した場合,処理後10時間でわずかに増加しその後少なくとも8時間はそのレベルを維持した.また,GAや赤色光処理による発芽誘導効果を打ち消すことができる濃度のアブシジン酸処理で,GAや赤色光処理によるLRG5,LRG11 mRNA発現量の増加に対しては影響を与えないことも示された.cLRG5のinsertは,380アミノ酸残基からなるポリペプチドをコードしていると推定され,そのアミノ酸配列は数種の植物のアルコールデヒドロゲナーゼと高い相同性を示した.一方cLRG11のinsertは,95アミノ酸残基からなるポリペプチドをコードしていると推定されるが,そのアミノ酸配列に対して相同性を示すものはまだ報告されていない。Grand Rapis発芽種子におけるLRG5,LRG11 mRNAの発現部位や時期を特定するため,それらのcDNAを用いたin situハイブリダイゼーションの準備を進めている.
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