研究課題/領域番号 |
06660137
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
千田 貢 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (90026419)
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研究分担者 |
山口 整毅 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (90084897)
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キーワード | 高感度電気化学分析法 / 酵素活性測定法 / エンザイムサイクリング / メディエーター / 4-アミノフェノール / ジアホラーゼ |
研究概要 |
今年度は昨年度につづきDiaphorase/NADH/Mediator(Med、4-アミノフェノール(2e-酸化還元系化合物)の酸化-還元系について、測定条件のより詳細な検討を行った。その結果、1)NADHの濃度効果について、上記酸化-還元酵素反応系にNADHの基質阻害効果が存在する事が推定された。そこで、上記効果を考慮した酵素反応速度式およびMedの接触電流(Ic)の理論式を誘導した。得られた理論式は既報の理論式を包含する形状を示した。 2)つぎに、上記理論式の実験的検証を行った。その結果、上記基質阻害効果を無視できる条件下の接触電流(Ic)と従来の条件で得られた電流値(Ic*)との比(Ic/Ic*=)は1.3を示し、Medの検出限界濃度は5×10^<-11>M(従来の検出限界濃度は10^<-10>M)であった。 3)また上記実験の結果によれば、Medの低濃度領域において電気的雑音の影響が著しいことが明瞭となった。以上の結果今後の課題として、まず実用的な問題としては電気的雑音の低減の重要性が明らかとなった。つぎに理論的な観点によれば、1e^-酸化還元系Medを利用したときの酵素反応機構についていまだに実験的に確定されていない。(この点について理論的な検討は上記1)と同時に行ったが)この問題は実用の観点からも重要な課題と考えられる。
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