メディエーター(Med)/ジアホラーゼ(Dia)/NADH系によるNADHの接触酸化電流(Ic)に基礎を置くNADHの高感度定量法と、この方法に基礎を置く酵素イムノアッセイ法について研究した。Med/Dia/NADH反応系は(1)1電子Med(Hexacyanoferrate(-3/-4)及びFerrocene(+1/0)系)ではSequencial機構により、また2電子Med(DCIP)ではPing-Pong機構により進行する事を、電気化学分析法及び分光化学分析法を用いて明らかにした。(2)いづれの機構によるとしても、Med濃度が十分薄い場合には、IcはMed濃度について一次、Dia濃度については1/2次反応式で与えられる同じ形式の基本式であたえられる。(3)Dia/NADH反応系は基質(NADH)阻害を受ける事が見いだされた。(4)競争的阻害及び非競争的阻害における反応速度式を導き、Icに対するNADH濃度の影響を解析した結果、阻害反応はNADH濃度について一次反応である事が示され、実効阻害定数Kiが求められた。(5)これらの結果に基づき、接触電流によるMedの高感度分析のためのNADHの至適濃度として0.25mMが設定され、この新しい設定条件の基でMed(4-aminophenol)の5x10^<-11>Mの検出が可能になった。(6)4-aminophenolphosphateのAlkalinephosphatase(Alkp-ase)による加水分解反応を上記(5)のほうほうで追跡する方法により、Alkp-aseの5x10^<-8>U/50μlは定量可能であることが示された。(7)Alkp-aseの高感度定量法に基礎を置く酵素イムノアッセイ法の可能性について具体的に論じた。
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