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1995 年度 実績報告書

インスリン様成長因子(IGF)結合タンパク質によるIGF生理活性制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 06660147
研究機関東京大学

研究代表者

高橋 伸一郎  東京大学, 農学部, 助教授 (00197146)

キーワードインスリン様成長因子 / 結合タンパク質 / 培養細胞 / 細胞増殖 / エンドクリン型 / オートクリン型 / 遺伝子導入
研究概要

インスリン様成長因子(IGF)-Iのひとつの特徴として、ペプチトホルモンでありながら体液中で特異的な結合タンパク質(IGFBPs)と会合している点が挙げられ、現在までに6種類のIGFBPsの存在が報告されている。本研究では、IGFBPsによるIGF-I生理活性の制御機構を色々な側面から明らかにすることを目的とし、まず、各種動物細胞の培養液から種々のIGFBPsの単離・精製を試みた。6種類のIGFBPsのうち、ラット肝癌H4-II-E細胞あるいはBRL-3A細胞の無血清培養液より、疎水クロマトグラフィー・陰イオン交換クロマトグラフィー・逆相HPLCを用いて、簡便にラットIGFBP-1あるいはIGFBP-2を単離・精製することに成功した。現在、ラット神経芽細胞B104sの細胞培養液よりIGFBP-4の単離・精製を試みている。また、ラットIGFBP-3およびIGFBP-5については、それぞれのcDNAを含むexpression vectorをCHO細胞に導入し、これらを大量生産する細胞株の樹立を進めている。同時に、それぞれのIGFBPsに対する抗体も取得した。これらのIGFBPsが、endogenousあるいはexogenousIGF-Iの生理作用にどのような影響を与えるかを調べるために、IGF-Iを生産しないIGF-I標的細胞であるラット甲状腺由来細胞FRTL-5にヒトIGF-IcDNAを導入した細胞株を樹立し、遺伝子導入細胞株と野性株のDNA合成量を比較した。その結果、外から添加するIGF-I、すなわちendocrine型IGF-Iの生理活性は細胞が分泌するIGFBPsによって抑制されるのに対して、autocirne型GF-IはIGFBPsの影響を受けず、効率よく細胞増殖を誘導することが明らかとなった。今後は、IGFBPsの精製標品をこれらの細胞に添加し、IGFBPsの生理的意義について検討を加えていきたいと考えている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Takahashi,S.I.他: "Relationship between nutrient intake and insulin-like growth factor I" Clin.Ped.Endocrinol.3. 111-114 (1994)

  • [文献書誌] Uchijima,Y.他: "production of insulin-like growth factors and their binding proteins in primary cultures of rat liver parenchymal and nonparenchymal cells" Biosci.Biotech.Biochem. 59. 1503-1515 (1995)

  • [文献書誌] Takenaka.A.他: "Nutritional regulation of gene expression of insulin-like growth factor-binding proteins and the acid-labile subunit in various tissues of rats" J.Endocrinol. In press.

  • [文献書誌] 高橋他: "栄養に応答したインスリン様成長因子およびその関連タンパク質の制御" 内分泌・糖尿病科. 1. 535-544 (1995)

  • [文献書誌] 高橋他: "動物の成長をつかさどるホルモン、インスリン様成長因子I" 蛋白質核酸酵素. 印刷中.

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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