研究概要 |
スーパーオキシ(SO)は多くの活性酸素の源であり、好気的生物にとって一次代謝や生理機能(感染防御)において基本的な物質である。一方、その過剰な産生は細胞の老化やがん化を招くものとして、その制御も重要であることが示されている。SOを制御するために我々生物系は酵素(スーパーオキシドディスムターゼ)を備えているが、非酵素的な制御も重要である。この研究では、そこで日常的な食によるスーパーオキシド産生、もしくはその抑制の可能性を追求し、活性を担う各種成分の化学的、生理的特性を明らかにすることを目的とした。平成6年度にはSOの産生や消去作用を検出する系を種々確立し、これら系を用いて熱帯アジア産非栄養的食用植物種の活性評価を行ってきた。また、平成7年度には和産食用植物についての評価を行った。評価できた活性植物種の化学的研究を展開した結果、まずタイ国産ナンキョウから得られた1′-acetoxychaviol acetate(ACA)に興味が持たれた。ACAは極めて協力なキサンチンオキシダーゼ(XOD、SOを産生する酵素)阻害剤となり、また、分化HL-60を用いた細胞系においてもTPA刺激によるSO産生を顕著に抑制した。さらにACAはHL-60細胞内でのSO産生をも抑制することをフローサイトメトリー(FCM)で確認した。ACAは強力な発がんプロモーション抑制物質でもある。発がんプロモーション過程にはSOやそれに由来する各種活性酸素が一部関与している。従って、ACAの発がん抑制機構として、そのSO産生抑制作用があるものと示唆できた。一方、和産アオジソからSO捕捉物質として(R)-rosmarinic acid(RA)を単離・同定した。1,2-ジフェノール部を重要構造部位とするRAのこの捕捉活性はビタミンCより協力で合った。興味あることにRAは、ACAと違って、発がんプロモーション短期検出活性、Epstein-Barrウイルス活性化抑制作用には陰性あった。今後RAの動物試験結果と相まって、SOと発がんとの関連がさらに深く理解できるものと考えられる。
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