• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

機能性抗酸化物質の細胞内動態

研究課題

研究課題/領域番号 06660162
研究機関静岡県立大学

研究代表者

中山 勉  静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教授 (50150199)

研究分担者 橋本 啓  静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助手 (10237935)
キーワード植物ポリフェノール / 活性酸素 / 過酸化水素 / 培養細胞 / 抗酸化物質
研究概要

昨年度は、カフェ酸エチルエステル(CAEE)がチャイニーズハムスターV79細胞において、H_2O_2による細胞内DNA切断を抑制することを報告した。部分構造が一部だけ異なるポリフェノールとしてフェルラ酸エステル(FAEE)を用いた場合は同様の効果がないことから、CAEEのo-dihydroxy構造が抑制効果に必須であることが推測された。そこで本年度はo-methoxyphenol構造を持つクルクミンを化学的に変換し、tetrahydrocurcumin(THC)やo-dihydroxy構造を持つdihydroxycurcumin(DHC),dihydroxytetrahydrocurcumin(DHTHC)を調整し、細胞内への取り込み量やコロニー形成法を用いてH_2O_2毒性に対する抑制効果を調べた。その結果H_2O_2毒性に対する抑制効果にo-dihydroxy構造が必要なことを確認し、さらに取り込みに関して興味深い結果を得ることができた。すなわちクルクミンに比べてTHCの方が毒性効果が弱く、これは取り込み量を反映した結果であること。さらにクルクミンは細胞内で急速に代謝されてTHCに変換されることなどである。クルクミンはカレ-粉の黄色の主体をなすタ-メリックの主成分であり、腸管から吸収され、腸管細胞で代謝されることが最近報告されているので、今回のこの結果はクルクミンの代謝を培養細胞レベルで明らかにする糸口として重要である。本研究ではさらにクルクミンとTHCの脂質二重膜に対する親和性の差をリポソームを用いた実験系で調べ、培養細胞における毒性の差をよく説明できることを明らかにした。また以上とは別の実験で、植物ポリフェノールが細胞内でスーパーオキシドのスキャベンジャーとなり、その際H_2O_2を生成する可能性を明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Nakayama et al.: "Hydrogen peroxide formation during catechin oxidation is inhibited by SDD." Food Sci.Technol.Int.1. 65-69 (1995)

  • [文献書誌] T.Nakayama et al.: "Inhibitory effects of caffeic acid ethyl ester on H_2O_2-induced cytotoxicity and DNA single-strand breaks in Chinese hamster V79 cells." Biosci.Biotech.Biochem.60. 316-318 (1996)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi