研究課題/領域番号 |
06660168
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食品科学・製品科学
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
平松 信康 福岡大学, 理学部, 教授 (80122729)
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研究分担者 |
中村 忠嗣 福岡大学, 理学部, 助手 (60258514)
井上 亨 福岡大学, 理学部, 教授 (50078599)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 不飽和脂肪酸 / 混合系 / 結晶多形 / 圧力 / 相挙動 / 超高純度 |
研究概要 |
昨年度から引き続いて圧力下でのオレイン酸(OA)/パルミトレイン酸(POA)2成分混合系の相挙動について、高圧DTAを用いて調べた。この混合系は、△鎖長は同じでW鎖長が炭素数2個だけ異なる組み合わせである。固相液相の境界は、圧力の増加とともに高温側へシフトすることがわかった。一方、相図上の相境界の形は今回実験を行った圧力範囲(〜200MPa)では、圧力の高低にかかわらずほぼ変化しないこともわかった。以上の組み合わせの他に、W鎖長が同じで△鎖長が炭素数2だけ異なる系、(POA)/アスクレピン酸(APA)の混合系についても調べてみたが、大気圧下の相溶の程度は前述のOA/POAとは異なるにもかかわらず、圧力に対する応答はほぼ同様であった。これらのことから、相溶性は圧力に対して200MPaまでの圧力下ではあまり敏感であるとはいえないと結論された。 OA/POA混合系に関して、我々はOA_3POA_2のモレキュラーコンプレックスが形成される事を以前に報告している。このOA_3POA_2の融点の圧力依存性から融解時の体積変化をクラウデュースクラペイロンの式を使って見積ってみたが、その結果、OAとPOAが独立に結晶化していると仮定したときの融解時の体積変化よりも小さく、OAとPOAが互い違いに隣り合って結晶化し、△鎖長の差異がボイドを形成していると仮定したときのそれよりも大きいととがわかった。このOA_3POA_2についての構造的なことについては現在のところ何も分っていないので、この知見は、構造を議論する上での興味深い指針を与えるものと考えられる。
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