研究課題/領域番号 |
06660174
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
丹下 健 東京大学, 農学部, 助教授 (20179922)
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研究分担者 |
小島 克己 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助教授 (80211895)
八木 久義 東京大学, 農学部(林), 教授 (80191089)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | スギ高齢木 / 樹冠蒸散速度 / 水蒸気拡散コンダクタンス / 水ストレス / 木部圧ポテンシャル / 気孔閉鎖 / 大気飽差 / 通導抵抗 |
研究概要 |
加齢および個体サイズの増大にともなう樹木の水分生理特性の変化を明らかにする目的で、樹高成長が頭打ちの状態にある100年生(樹高16.3m、胸高直径35cm、推定葉量17.4kg、平均年樹高成長量10cm/yr)と旺盛な樹高成長を示す10年生(5.0m、7cm、3.9kg、70cm/yr)のスギ造林木を供試木として、樹冠蒸散速度、葉の木部圧ポテンシャルおよび樹液流速度を測定した。得られた結果は、以下の通りである。 1.樹冠蒸散量を水蒸気圧飽差で除して求めた樹冠コンダクタンスは、100年生では、水蒸気圧飽差の増大に対して緩やかに低下したのに対して、10年生では急激に低下した。単位葉量あたりで比較すると、水蒸気圧飽差が小さい時には100年生の方が明らかに小さかったが、水蒸気圧飽差が大きくなるにともなってその差は小さくなった。 2.樹液流速度と葉の木部圧ポテンシャルから、土壌から葉までの通水抵抗を求めた。通水抵抗は、両供試木とも土壌の水ポテンシャルの低下にともなって増大した。100年生より10年生の方が、土壌の水ポテンシャルの低下にともなう通水抵抗の増加率が大きかった。 3.両供試木の通水抵抗を単位葉量あたりで比較すると、100年生の方が、植物体に由来する通水抵抗が大きかった。したがって、土壌が湿っていて水ポテンシャルが高いときでも、100年生の供試木では、10年生に供試木に比べてより大きな樹体の通水抵抗に逆らって水を引き上げなくてはならず、そのために常に樹冠コンダクタンスが低く抑えられていると考えられた。 4.以上の結果から、樹高成長が頭打ちになった老齢木では、非同化器官の増大による純生産量の減少だけでなく、気孔閉鎖による光合成速度の減少によって総生産量自体も減少している可能性を示唆した。
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