本研究の目的は海抜高の異なるブナ林における林内構造の変化を表現するため、25年間におよぶ成長固定試験地のデータを時系列に解析すること。この場合に、新たに生態・生理学的シミュレーションモデルの開発を行いその過程で生じる問題点を考慮することなどである。 本年度は初年度にあたるので、研究機材の整備を行った。 導入した機材: Mac Power Pc 8100/80AV RAM 16+32MB HP Desk Writer MO system Nikon Cool Scan Systemをシステム化したものである。 (1)画像処理:これまで記録された、成長固定試験地における画像データ(たとえば樹冠の映像)を、市販のアプリケーションソフトを用いてモデルに導入できるか、その可能性テストを街路樹等を用いて予備試験をはじめた。通常混在して成育している樹冠画像から特定の樹冠画像をマークし引き出す作業は相当の熟練を必要とすることが分かった。作業工程の評価はまだ不十分である。今後一層の努力が必要である。 (2)成長固定試験地のデータ処理:8カ所の成長固定試験地データは計算機システムに記録され、立体画像として記録された、固定試験地内のギャップにおいて、オオバクロモジ、ウリハダカエデ、オオバクロモジなど初期成長速度の速い樹種に絞って成長解析を行った。 現在解析中で次年度もさらに検討を続ける予定である。
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