1.研究目的:毛烏素沙地から1990年に旱柳を導入し、島根大学農学部附属演習林本庄苗畑で育苗している。この旱柳を用いて水消費量の測定を水ポテンシャル測定装置と給水管を用いて生育期に行い、吸水量を定量化し、これまで現地で得られた葉面積や葉量などの調査結果から、毛烏素沙地での防護林の水消費量を正確に推定することを目的とする。 2.研究計画:本研究計画は実験準備(材料の育成、実験用具の調達)、測定(吸水量測定・蒸散量の測定)及びとりまとめの3段階からなっている。 3.研究結果:平成6年度においては実験準備としての材料の育苗方法と吸水試験方法の検討をそれぞれ行い、 ア.100CCのサンプル管に標準砂を充填し、それに既知量の水を加え、さらに旱柳の1年生枝を挿し木し上部をワセリンで密閉したものを植木鉢とした。 イ.旱柳の挿し木は数日後から発根を開始し、この方法の有効性を確かめた。 ウ.この植木鉢の重量を早朝から日没まで、ほぼ1時間ごとに測定し、時間吸水量を測定した。 エ.同様に、早朝から日没までの日総吸水量を、日吸水量とした。 オ.日吸水量の季節変化を追跡した。 さらに、水ポテンシャル測定装置で旱柳の水ポテンシャルを試験的に測定し、吸水量との関係を求めたところ、この方法が旱柳の水消費量の定量化に有効であることを確かめた。
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