研究概要 |
1.蒸散量測定試験 毛鳥素(モウソ)沙地から移植したカンリュウ(Salix Matsudana)の当年生枝を,フィルムケースをポットとした容器に挿し,蒸散量を求めた.この時,早朝と夕方の重量差を蒸散量とした.さらに,単位葉面積当たりの蒸散量を求めるために,葉面積をプラニメーターで測定した. この実験で,蒸散量を的確に把握できた. 2.水ポテンシャルの測定 カンリュウの当年生枝を切り取り,すばやく水ポテンシャル測定装置(プレッシャーチャンバー)に装着し,測定した.測定日は蒸散量測定と同じ日に行った. 水ポテンシャルは降水との関係があった. 3.モウソ沙地への適用 単位葉面積当たりの蒸散量から,これまで毛鳥素沙地で測定した葉面積から枝齢ごと個体ごとの総葉面積を求め,毛鳥素沙地における蒸散量を推定した.さらに,ヘクタール当たりの植栽密度を500本とし,枝齢ごとの蒸散量を推定した. おおまかではあるが,推定可能なことが明らかになった. 4.まとめ 本研究から,半乾燥地における蒸散量の推定手法が確立されさらに他の樹種への適用の可能性が示された.この手法を応用すれば,防風林帯を造成する前に,事前に水資源の永続的な利用可能水量の把握が可能になる.
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