1.沖縄本島中南部地域森林計画の対象地域に出現する荒廃原野は急傾斜地風衝林、岩石地等に立地し、ススキ生地、ギンネム生地、チガヤ、灌木の禿山等の形態をとっている。これらの中で、育林技術的に問題となるのがギンネム生地と禿山状の風衝林地である。 2.風衝林地の多い渡嘉敷島において、ランドサット衛星データを用いて風衝林地のエリア区分を試みた。地形分析と組み合わせることにより、チガヤや灌木が疎立する禿山のエリア区分の可能性が確かめられた。 3.糸満市喜屋武岬付近のギンネム生地が多い地域において、ランドサット衛星データを用いて、クラスタ分析によりギンネム生地を他の植生と区分可能かどうか検討した。600×600mの特定区域内では、概略的区画は可能であるが、天然広葉樹林の一部をギンネム生地と誤認することもある。 4.ギンネム生地の実態調査を行った。多くの場合、上層樹高は5〜8m、最大胸高直径5〜8cm程度で相対照度3〜10%の極めて高密な林分となっており天然生であるが混成する他の樹種が非常に少ないなどの特性が確かめられた。
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