1.平成7年度は、昨年の沖縄本島中南部地域に引き続いて、北部地域森林計画区域内の主要な荒廃林地について、出現環境、植生形態等の特性を調査した。本部半島の石灰岩組成の一部にギンネム生地がみられるが、総体的には海岸に近い急傾斜地、台地上の背梁平担部、山頂付近の凸形斜面に、ススキ原野リュウキュウマツ・広葉樹低灌木の風衝林地を形成することが多い。島しょ環境下にあって、森林機能の促進を図るための育林技術的課題の主対象は海岸付近及び凸形斜面の風衝林地である。 2.これらの林地は土壌が流亡していて乾燥しやすく、林木の成長はきわめて緩慢ではあるが、施肥や肥料木混植等の特殊な施業によってはある程度の上長成長の促進が可能と見られる。 3.荒廃林地や天然広葉樹林、リュウキュウマツ人工林、マツ・広葉樹混交林、農地等について反射スペクトルを測定し、ランドサットTMデータによる林況区分および荒廃林地の抽出の可能性を検討した。灌木荒廃林地と成長の悪い林地の区分は明確な基準が設定しにくく、空中写真や衛星データでは概略的区分は可能であるが、小班レベルでの判別は容易でない。
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