研究課題/領域番号 |
06660201
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大谷 諄 北海道大学, 農学部, 助教授 (30001465)
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研究分担者 |
佐野 雄三 北海道大学, 農学部, 助手 (90226043)
船田 良 北海道大学, 農学部, 助手 (20192734)
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キーワード | 北見市南町遺跡 / 余市町大川遺跡 / 小樽市餅屋沢2遺跡 / 出土炭化材 / 出土未炭化材 / 樹種識別 / 走査電子顕微鏡 / 光学顕微鏡 |
研究概要 |
1.北見市南町遺跡(続縄文期と擦文期)と余市町大川遺跡(続縄文期)の住居跡からの出土炭化材200点および小樽市餅屋沢2遺跡(縄文晩期、続縄文前期、江戸末期-明治期)からの出土未炭化材100点を採取した。2.余市町大川遺跡の続縄文期間の焼失家屋からの出土炭化材30点については、SEM(走査電子顕微鏡)法により樹種識別を終了した。トネリコ属24点、オニグルミ3点、サクラ属、キハダ属、ハンノキ属各1点であった。これらの属、種の樹木は、遺跡周辺に現在でも生育しているものである。3.小樽市餅屋沢2遺跡の旧河川から出土した流木76点と加工木24点については、光学顕微鏡切片法により樹種識別を終了した。出土流木材76点については、ハコヤナギ属1点、ヤナギ属4点、オニグルミ5点、コナラ節1点、カバノキ属1点、ハンノキ属1点、ニレ属16点、ヤマグワ8点、イヌエンジュ1点、キハダ属2点、ニガキ1点、カエデ属4点、トチノキ5点、ハシドイ7点、ミズキ1点、トネリコ属11点、不明なもの7点であった。これらの属(節、種)の樹木のすべては、石狩低地帯に現在でも生育しているものである。不明な7点は、つる性木本植物の可能性が高い。出土加工木24点については、トウヒ属6点、ヤナギ属4点、オニグルミ2点、コナラ属2点、カエデ属1点、ニレ属2点、ハシドイ1点、トネリコ属3点、不明なもの2点であった。これら24点のうちアイヌ期の魚止柵の部材と思われる8点については、針葉樹のトウヒ属5点と広葉樹のヤナギ属3点であった。建築部材と考えられている縄文晩期の16点は針葉樹1点と広葉樹15点であった。トウヒ属1点、ヤナギ属1点、オニグルミ2点、コナラ属2点、カエデ属1点、ニレ属2点、ハシドイ1点、トネリコ属3点、不明なもの2点であった。
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