研究課題/領域番号 |
06660201
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大谷 諄 北海道大学, 農学部, 教授 (30001465)
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研究分担者 |
佐野 雄三 北海道大学, 農学部, 助手 (90226043)
船田 良 北海道大学, 農学部, 助教授 (20192734)
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キーワード | 北見市南町遺跡 / 擦文時代後期 / 炭化材 / 走査電子顕微鏡 / 樹種識別 / 広葉樹材 / 木材の解剖学的特徴 / コナラ属 |
研究概要 |
北見市南町遺跡(擦文時代後期)の1住居址(PH43)から出土した炭化材全点(256点)の樹種同定を行った。これらの炭化材から走査電子顕微鏡観察用試料を作製し、木材の解剖学的特徴を走査電子顕微鏡を用いて観察・写真撮影を行った。得られた炭化材の解剖学的特徴から樹種同定を行った。 1)樹種識別結果・・・識別された炭化材はすべて広葉樹材であり、8科10属であった。コナラ節(コナラ属、コナラ亜属)が169点、トネリコ属が31点、ニレ属が18点、ヤナギ属が18点、ニシキギ属が3点、サクラ属が2点、オニグルミ(グルミ属)が1点、ハコヤナギ属が1点、ハシドイ(ハシドイ属)が1点、ハンノキ属が1点、不明なものが11点であった。 2)樹種と住居部材との関係・・・コナラ節の材は、袖材111点のうち81点(73%)、袖貫材30点のうち10点(33%)、土留め材13点のうち11点(85%)、支柱材6点にうち4点(67%)、不明な部材83点のうち59点(71%)、かまど跡からの出土材13点のうち4点(30%)であり、袖貫材とかまど跡からの出土材をのぞくと非常に高い割合を占める。したがって、強さが要求される住居の部材としてコナラ節の材が多く使用されていたことがわかった。その他の樹種と部材との関係については特に目立った傾向は認められなかった。
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