1.板紙試料として坪量が190-465g/m^2の4種類のアイボリ-(原料の全部がバ-ジンパルプ)、190-465g/m^2の4種類のカード(原料の大部分が古紙)、225-400g/m^2の3種類のマニラ(原料のほとんどが古紙)を選び、150-250keVの電子線を50kGy照射し、耐折強さを測定した。各品種の板紙とも、坪量が高いほど強度残存率が高い妥当の結果を得たが、150keVの電子線照射の各試料の強度残存率が若干低め、古紙配合率の多い各試料の強度残存率がかなり低めであった。 2.加工原紙に31-60g/m^2のポリエチレンをラミネートした紙・ポリマー複合シートを作製し、250keVの電子線を線量を変えて照射して耐折強さを測定した。ラミネート量が増加するにつれて耐折強さが向上するが、照射量の増加とともに原紙との差が小さくなった。同じ紙・ポリマ複合シートに150-250keVの電子線を50kGy照射し、耐折強さを測定し、耐折強さを測定した。ラミネート量の多い試料では、電子線の加速電圧が低いほど強度残存率が高い妥当な結果が得られ、ポリエチレン層による電子線の遮蔽効果を認めた。 3.填料無配合の上級紙、アート紙、紙・ポリエチレン複合シートを各1種類選び、電子線硬化樹脂を20g/m^2塗工してから250keVの電子線を10-50kGy照射し、強度特性を測定した。各試料とも、電子線照射によって耐折強さが低下するが、引張り強さと破裂強さが向上することがわかった。強度の向上は、硬化した樹脂層の効果を推察される。
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