研究課題/領域番号 |
06660209
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
安田 征一 名古屋大学, 農学部, 教授 (80002070)
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研究分担者 |
今井 貴規 名古屋大学, 農学部, 助手 (20252281)
福島 和彦 名古屋大学, 農学部, 助手 (80222256)
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キーワード | リグノスルホン酸 / リグニン / フェノール化 / スルホン化 / ホルミル化 / 機能性物質 |
研究概要 |
高度の縮合構造を有するリグニンそれ自体の機能性物質であるリグノスルホン酸への変換が可能であることが、前年度の研究で明らかにされた。本年度はそれらの反応中における生成物の種類や反応機構を明きらかにするために、縮合型リグニンモデル化合物を用いて検討した。 リグニンスルホン酸のNMRスペクトルは、通常そのメチル化体について測定されるが、スルホン酸塩の状態で測定の可能性およびスルホン化物の精製についての知見を得るために、初めにより簡単な化合物をモデルとした。その結果、スルホン化前の段階で単一の化合物を用いれば単離が容易であり、またスルホン酸塩でのスペクトル測定でも構造について期待する情報が得られることが明らかになった。 リグニンモデル化合物としてグアヤシルグリセロール-β-グアヤシルエーテルを合成し、そのフェノール化物(P-SAL)を用いて実験を行った。P-SALのホルムアルデヒドによるヒドロキシメチル化は3種の化合物を与え、当然のことながらより高温での反応や反応時間の延長は3置換体の増加をもたらした。さらなる強い反応条件下では、二次的な縮合物であるジアリールメタン構造の生成が示唆された。ヒドロキシメチル化物の中性サルファイト処理は高収率で対応するスルホン化物を生成することが明きらかになった。
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