研究課題/領域番号 |
06660220
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
梶田 煕 京都府立大学, 農学部, 教授 (90046467)
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研究分担者 |
矢野 浩之 京都府立大学, 農学部, 講師 (80192392)
今村 祐嗣 京都大学, 木質科学研究所, 助教授 (70151686)
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キーワード | パーティクルボード / フェノール樹脂 / 寸法安定性 / 耐朽性 / 耐蟻性 |
研究概要 |
本年度は、研究計画にしたがって、(1)樹脂含浸処理したパーティクルボードを製造する際の熱圧時のマット内部の温度上昇の時間的経過を、熱電対とメモリーカードデータロガーを用いて測定し、フェノール樹脂を完全硬化状態としたボードの製造法の確立をはかること、(2)ボードの寸法安定性および強度、クリープ特性の把握をはかること、(3)樹脂含浸ボードの耐朽・耐蟻性などについて検討した。その結果は次のようである。熱電対により熱圧時のマット内部での温度および含水率の経時変化について検討したが、熱圧中のマットの内部温度および含水率の分布は、ボードの厚さの中心面に関してほぼ対称であること、マット表面の温度は急速に上昇するが、その昇温速度は初期含水率には影響されないこと、マットの中心温度では約100°Cの蒸発熱吸収期間がみられ、中心層が100°C以上の最高温度に達するまでの期間は初期含水率および熱圧温度が高いほど短くなること、熱圧温度が150°Cおよび170°Cの場合、初期含水率が高いときは一旦最高温度に達したのち100°C付近まで低下、含水率が約10%となると再度上昇することなどが明かとなった。また、含浸用フェノール樹脂を5〜10%添加することにより曲げ性能は増加し、寸法安定性は分子量の小さい樹脂が木材内部に浸透したものほど良好であった。フェノール樹脂含浸ボードの耐朽性は腐朽菌の種類により異なり、褐色腐朽菌よりも白色腐朽菌の方が腐朽し難い傾向がある。ボードの耐蟻性は、低分子量のフェノール樹脂の含浸率が高いほど良好であった。
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